■ライフスキル教育を基盤とした子どもの教育と健康・安全を保障する活動形成事業
―(独行)国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業*(パートナー型)
2023年9月、JICAマラウイとパロンベ県知事が事業の合意書に署名。当会と県教育局長が証人として署名しました。
12月1日、JICAと当会との間で業務委託契約を締結して、正式に事業が始まりました。事業期間は2026年11月30日までの3年間。パロンベ県の9教育区のうち4教育区で実施します。
最初の1年半の対象として、県教育局がナゾンベ教育区とクランベ教育区を提案して、当会も同意しました。事業開始前の9月から学校を訪問し、学校関係者から地域の成り立ち、学校設立の経緯、子どもが抱える教育・健康・安全の課題を聞き、事前調査を行ないました。
*草の根技術協力事業は、日本のNGO、大学、地方自治体及び公益法人の団体等が企画した協力活動をJICAが支援し、共同で行ないます。実施にあたっては、JICAとNGO等との間で業務委託契約書を締結し、JICAがNGO等に事業を委託します。
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◇2024年1月
パロンベ県知事と事業の趣旨と方針について確認しました。県教育局次長およびナゾンベ教育区とクランベ教育区の教育官と研修内容について協議しました。ナゾンベ教育区11校とクランベ教育区12校、計23校が対象となります。
父母リーダー研修の開催に向けて、ベースライン調査で収集するデータの項目を整理。学校関係者との合意形成の会議の手順書、父母リーダー候補に対して事業と期待する役割の説明し、参加の同意を確認する手順書、そして応募書類の作成を進めました。
教員研修の開催に向けて、ナゾンベ教育区教育官と学校訪問に関する協議を行ないました。ナゾンベ教育区の2校19人の教員から、ライフスキル教育に関する聞き取り調査を行ないました。ベースライン調査で4 校を訪問し、計16のライフスキル教育の授業(生徒数計 1,335 人)を観察しました。うち11の授業の後、生徒から聞き取り調査を行ないました(生徒数計 915 人)。
◇2月
学校関係者との合意形成の会議手順書を作成しました。ナゾンベ教育区・クランベ教育区の6校で合意形成会議を実施(計76人が参加)。全ての学校で活動に参加する意思を確認しました。
教員研修に向けてナゾンベ教育区3 校でベースライン調査を実施しました。12のライフスキル教育の授業(生徒 数計1,007 人)を観察。うち9つの授業の後、生徒から聞取り調査を行ないました(生徒数計 759 人)。1月に実施した4校と合わせて7 校で、教員計76 人からライフスキル教育について聞き取り調査を実施しました。
父母リーダー研修に向けた、ベースライン調査への助言を JICA マラウイ事務所の専門家などから得ました。JICAの「みんなの学校」プロジェクト―学校運営委員会が行政と連携して運営―を行なっている3校の保護者活動を見学しました。
◇3月
学校関係者との合意形成会議を、ナゾンベ教育区・クランベ教育区の17 校で実施(計 248人が参加)。事業参加の意思を確認しました。2月に実施した6校と合わせて、2教育区の対象全23 校と合意しました。
父母リーダー研修に向けたベースライン調査で使う、学校関係者、父母リーダー、村人対象の3種類の質問票案を作成しました。
学校および父母リーダー各人が提出する事業参加申込書様式を作成。ナゾンベ教育区・クランベ教育区全 23 校に配布しました。
教員研修に向けたベースライン調査で、ライフスキル授業の観察、生徒からの聞き取り、次に教員への聞き取りを 1 日で実施する手順をまとめました。ナゾンベ教育区の2 校で計4 のライフスキル授業を観察(生徒 数計352 人)。そのうち2 つの授業の後で生徒から聞き取り調査(計181 人)を行ないました。教員 22 人から聞き取り調査を実施。
◇4月
ナゾンベ教育区全11校の父母リーダー候補との会議を各校において開催し、活動の概要、目標、参加条件について説明しました。欠席者には個別会議を行なって、全員から参加の同意を得ました。
父母リーダーへの8テーマの研修の手順書を作成(子どもの成長と健康、感染症予防、エイズ問題、プライマリヘルスケア/子どもの権利、虐待や性被害・加害の予防、早期結婚や妊娠予防/洪水被害の予防)。内容について、担当する専門行政官から原則同意を得ました。ナゾンベ教育区において5月8日に開始する研修のスケジュールを決めました。
ナゾンベ教育区11校のうち10校に対して、ライフスキル教科書に各教科書に固有参照番号付きのラベルを貼って供与しました。
◇5月
ナゾンベ教育区の11校目にライフスキル教科書を供与。ナゾンベ教育区の対象校すべてで完了しました。
ナゾンベ教育区において父母リーダーへの集合研修を5月8日から毎週2日水曜日と金曜日に実施(5月20日の週を除きます)。講師は各研修テーマに適した県行政官、およびナゾンベ教育区センター調整助手、パロンベ教員養成大学講師の3名です。5月8日と10日の研修では JICA マラウイ事務所がモニタリングを実施しました。
ベースライン調査として、村人への質問票調査をナゾンベ教育区の3校の通学圏の各3村、計9村、計62名に実施しました。
ナゾンベ教育区で研修終了後の父母リーダーによる各校での保護者向け学習会が2校で実施されました。計18名の父母リーダーが、研修で学んだことを計77名の学校間関係者と一般保護者に伝えました。
クランベ教育区の対象校12校のうち8校で父母リーダー希望者から事業参加申込書を受け取り、各校において活動を説明して参加の同意を得ました。また質問票調査を実施しました。
クランベ教育区 12 校のうち 5校に、ライフスキル教科書を各教科書に固有参照番号付きのラベルを貼って供与しました。
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