マラウイでの活動報告―2024年12月
CanDoはマラウイ共和国パロンベ県の初等学校において、ライフスキル教育を基盤とした教育と健康・安全を保障する活動形成事業を2023年12月に開始。JICA草の根技術協力の受託事業で、県の9教育区のうち4教育区が対象、事業期間は3年間です。父母リーダーへの研修とその後の活動形成、および教員への研修を行ないます。前半の1年半の活動地は、モザンビーク国境に接したナゾンベ教育区(11校)とクランベ教育区(12校)です。
□父母リーダーによる学習会の開催―学習会開催のためのフォローアップ会議
ライフスキル教育の研修を修了した父母リーダーによる一般保護者に向けた学習会の開催が低調なため11月にフォローアップ会議を開始(4校で開催)。12月は4校で開催しました―父母リーダー、チーフ、学校関係者が参加。
ナゾンベ教育区ロングエ校では11月27日の話し合いをもとに、他のNGOがモモラ村で継続的に行なっている緊急食糧援助を兼ねた土壌保全作業のあとに、12月11日、父母リーダーが学習会を開催(写真)。
11月26日にフォローアップ会議を開催したナゾンベ教育区マンガジ校では、父母リーダーが通学圏のムワラ村で12月13日に学習会を開催しました。
□ 父母リーダーによる学校活動―活動計画づくりと覚書締結
12月にナゾンベ、クランベ教育区の全23校と当会との間の覚書締結を完了しました。
クランベ教育区タル校では、12月4日に保護者会議を開催して、2017年に建設が中断した生理ナプキン交換室つき女子トイレ建設を進めることで覚書を締結し、対象の女子トイレを視察しました。後日、当会専門家を派遣して、大きな亀裂がある交換室の一部は、トイレの基礎上にないため、取り壊して基礎上に壁を再建する必要があることが判明しました。交換室が狭くなることを確認し、トイレを予定している別室を交換室とすることで合意しました。
□ 父母リーダーによる学校活動―活動計画の実践
実践活動の実施は、これまでナゾンベ教育区の全11校、クランベ教育区12校のうち6校の計17校で資材供与を行ないました。11月までに6校、12月に1校で活動が完了しました。
12月13日、クランベ教育区タンベ校で男子用小用スペース1棟の建設が完了。崩壊したトイレの便槽までの下水パイプを敷設しました。父母リーダーが活動計画で提示した子どもが抱える課題は、①衛生環境の不足、②排泄物の臭い、③不衛生な環境による下痢や咳。100米ドルで取り組める活動として、①男子用小用スペースの建設、②机の修理を提案。一般保護者は、①男子用小用スペースの建設を選び、9月17日に覚書を締結しました。11月20日に最初に資材供与。セメント(50kg)8袋を供与し、学校側はセメント1袋、排水管、レンガを負担しました。
10校で活動を継続しています。そのうちナゾンベ教育区の4校では活動が低調です。当会専門家からの技術指導を早めに切り上げ、技術を学んだ父母リーダーと現地職人が、最終段階での自律的な活動が適切に展開できていないことが、11月に理由としてあげられました。12月も、父母リーダー、学校関係者ならびに担当教育官との話し合いを行なって適切な終了を促しています。
写真は、クランベ教育区ムロザ校での机修理。
□ミテケテ教育で父母リーダー育成の合意形成
事業期間の前半に実施しているナゾンベ、クランベ教育区に次いで、後半の事業対象とする2教育区のうち、ミテケテ教育区(8校)での合意形成を開始しました。
12月11日、ミテケテ教育区教育官(PEA)と協議(写真右の女性。中央は当会調整員)。教員開発センター助手(ACCO)が同席しました(写真左)。
当会を紹介し、事業の概要、父母リーダー育成と学校活動について説明。当会が各校を訪問して合意形成を行なうことで合意しました。教育官が各校?と連絡をとって、訪問日を調整しました。
12月には、全8校のうち4校を訪問して、校長、ライフスキル教員、所在地チーフ、学校運営委員会議長など学校関係者に事業の説明をしました。そして、各校の基本情報として、学校設立の経緯、地域社会の形成史、通学圏の村々の位置、地域の自然・経済・民族、子どもの課題などを聞き取りました。
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