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2008年1月20日 (日)

ケニアの最新情報(080120)

ムインギ県での事業は順調に再開している、とケニアから連絡がありました。
1月13日から19日までのCanDoの活動と政治の動きについてお知らせします。

1.  CanDoスタッフの動き

1月14日    調整員 高木加代子さんが日本から、満井綾子さんがタンザニアのモシからナイロビ着。
1月19日    インターン 三上さんが、タンザニアのモシからナイロビ着。

日本人スタッフが全員ケニアに戻りました。

2. CanDoの活動とムインギ県の様子
1月15日    永岡代表理事、満井さん、高木さんの3名がムインギ県に移動(レンタカー)。副知事と開発局長に面会。
ムインギ県内の治安状況は、特に問題なく、自由に現場に入ってよいとのこと。
1月17日    ムイ郡の校長会に参加。
ムイ、カテイコ町の木曜市は、県外との物流が途絶えた感じで、閑散とした状態。
1月18日    3名がムインギ県からナイロビに戻りました。
3日間の出張では、グニ郡での幼稚園教師への保健トレーニング(1月28日から5日間)、
ヌー郡での村長老対象のエイズトレーニング(2月5日から5日間)の準備を行ないました。

2. 政治の動き
○1月15日、国会が招集され、議長選挙が行なわれました。
3回目の投票で、野党、オレンジ民主運動(ODM)のマレンデ候補が4票差で勝利。副議長もODM。
○1月15日、予定されていたアナン前国連事務総長のナイロビ入りが延期。
○1月16日、ODMが各地で抗議集会を実施。
西部のキスム、エルドレット、ナイロビのキベラ・スラム、東部のモンバサで警官との激しい衝突。ナイロビのウフルパークでも衝突。
○1月17日、ナイロビのマザレ・スラムで数百人の警官との衝突。ヒルトンホテル周辺、リバーロード、シティーホール周辺でもデモ。
○1月18日、ODMが反対集会の開催ではなく、与党関係者の会社を標的とした経済的なボイコットやストライキに戦略を変更と発表。
○1月18日、抗議集会の期間終了。
この3日間での犠牲者は、21人以上との報道(ロイター)。

3. 外務省の渡航情報(危険情報)
○1月18日、外務省は、ケニアに対する渡航情報(危険情報)を
「全土: 渡航の是非を検討してください(継続。ナイロビ市の一部地域引き上げ)」
と引き上げました。

佐久間 典子(CanDo理事)

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2008年1月12日 (土)

ケニアの最新情報(080112)

藤目さんに代わって、
1月9日から12日までのケニアでの動きと
今後、予定されていることをお伝えします。

1.     CanDoスタッフの動き
○1月12日、タンザニア待機中の3名の日本人スタッフのうち、
    調整員 橋場美奈さんが、空路、ナイロビ着。
○1月13日、一時帰国中の調整員 高木加代子さんが、日本を発つ予定です。

2. CanDoの活動とムインギ県の様子
○1月9日、ムインギ県で業務を開始しているケニア人スタッフは、
    幼児育成の成長記録カード配布の手紙の発送準備を開始。
    県の状況については、携帯電話の通話カードの不足以外には、
    特に選挙後の混乱による影響はないとのこと。
○1月10日、ケニア人調整員 カンダリがムイ郡の教育官と会い、
    幼稚園教師の情報収集とトレーニング実施の合意のための面会を設定。

2.政治の動きと
○1月9日、国際調停のため、アフリカ連合(AU)議長、クフォー氏(ガーナ大統領)が、キバキ氏(国家統一党-PNU)、オディンガ氏(オレンジ民主運動-ODM)と個別に会談。
○1月10日、調停に至らずクフォーAU議長が出国、
    調停はコフィ・アナン前国連事務総長に引き継がれる。
○1月11日、ODMは、調停の失敗を受け、
    全国規模での抗議集会を、16日に実施を予定すると発表。
○1月11日、Nation紙によると、政府は、
  初級・中級国家公務員115,000人が対象となる昇給を発表。
  定年退職の55歳から60歳への引き上げ案、村の長老への手当て支給案なども提示。
○1月16日、国会が開催され、正副議長の選出の予定。

*12月27日の国会議員選挙の結果は、
1月9日のNation紙によると、現在、210の選挙区のうち、3選挙区の選挙は成立せず、207人が選出。

その選出された207人の議員の所属と提携関係の内訳は
ODMと国民虹の連合(NARC)関連政党:                   102
PNUとその連合政党(アフリカ人民族同盟-KANUなど):  78
オレンジ民主運動ケニア(ODM-K)
(大統領選に立候補したムシオカ党首は副大統領に任命): 16
提携先を明確にしていない小政党所属議員:                     11

また、国会には、各政党の得票数から計算され、
割り当てられる議席が12議席ありますが、
割り当て数の推計は、ODM6、PNU3、ODM-K/KANU/Safinaが各1、とのこと。

佐久間 典子(CanDo理事)

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2008年1月10日 (木)

ケニアの最新情報(080109)


藤目です。
7日以後の動きなどを以下にまとめます。

1.CanDoナイロビ事務所の動き

永岡代表が6日にナイロビ入りして以来、ナイロビ入りした日本人はいません。タンザニア待機中の3名の日本人は、今もタンザニアで待機しています。

一方、JICAはケニアへの新規渡航を禁止したものの、任国外旅行からの帰国は容認しており、一時帰国中の高木のケニア入りについてはJICAと合意できたことを受け、本来の予定通り、来週ケニアへ戻ることにしています。ただ、やはり来週渡航予定だった新インターンについては、JICAの新規渡航禁止が解けるまで、
日本で待機となります。
(CanDoは現在、JICAの草の根技術協力事業で事業実施しているため、JICAより安全情報の提供を受けるとともに、JICAの安全対策基準に沿って活動しています)

なお、外務省が、ナイロビ以外のケニア全域の危険度を引き上げていることもあり、JICAでは、念のため日本人専門家をナイロビに滞在させているそうです。
CanDoも日本人スタッフの現場入りは今のところできず、電話等の通信手段を使ってムインギのケニア人スタッフと連絡を取り合いながら、事業再開の準備を進めています。

2.政治の動き

国際調停によるキバキとの話し合いに柔軟な姿勢を見せ始めていたオディンガは、8日に予定されていた抗議集会も中止し、AU議長など国際仲介による話し合いを受け入れる旨の発表を、8日に行なっています。

それに対し、キバキは、AU議長が空路ナイロビ入りする直前に、内閣(大臣のみ)を発表しました。そのなかに、オディンガの政党であるODMの名はありませんでした。オディンガとキバキとの話し合い後に内閣が発表されると想定していたODMは、当然反発を示しており、CNNやBBCなどでは、オディンガが調停の座に着くことを拒否していると報道されています。しかし、ケニアの新聞であるNation紙では、調停への努力は続けるとODM幹部が発言したと報道されています。

今後もしばらく、政治的な緊張と混乱は続くものと思われます。

3.生活

ケニア国内でメディアが各地の避難民への援助を呼びかけており、一般の人たちから物資が集まっているようです。

また、当初は、選挙後の混乱を受けて小学校の始業を14日に延期すると発表されていたものの、その後の安定化と調停への動きを受け、8日より始業することに
なりました(この情報は、キバキが内閣を発表する前のものです。ムインギでは情報の混乱があり、結局8日には始業できなかったようだとの情報が、その後、ムインギのケニア人スタッフから届いています)。

4.藤目のつぶやき

8日に小学校を始業することにした動きを受け、永岡代表からも、こんなメッセージがありました:
「早く日常に復帰しようと努力しているのだと思います。こんなケニアの人たちの気持ちに敬意を表して、できるかぎりの応援をする努力をしたいと思います。」

キバキの内閣発表後のNation紙の報道では、キバキへの不信をあらわにしない文章となっているのを感じました。
新聞の影響力を十分に配慮して、これ以上の犠牲者が出ないように、早く日常に戻れるように、という意向がNation側にあるのではないかと想像します。私自身は、当初キバキの内閣発表ニュースに、頭に血がのぼりかけましたが、Nationの報道に接して、平和を祈る気持ちが戻ってきました。

また、調停のためにナイロビ入りしていたアメリカのフレイザー外交官も、ケニア滞在を延長し、調停への支援を続けるそうです。

こうした努力が報われてほしいと、祈る気持ちでいっぱいです。

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2008年1月 6日 (日)

ケニアの最新情報(080106)


藤目です。
ケニアの最新情報をお伝えします。

1.CanDoナイロビ事務所の動き

報道やJICAケニア事務所、在ケニア日本大使館等からの情報を総合的に分析し、連絡の取れる範囲内で理事との相談も経た上で、永岡代表が6日、待機中のタンザニアより空路ナイロビ入りしました(無事到着を確認済み)。他3名のスタッフ・インターンは、現在もタンザニアで待機中です。

永岡のナイロビ入りは、以下の要因から決定されました。

・報道から判断する限り、ライラもキバキも、話し合いにつくための駆け引きに入っている模様。依然注意は要するが、これまでのような大きな治安悪化のリスクは低いと思われる。

・在ケニア日本大使館・JICAケニア事務所・ナイロビ在住の日本人よりの情報を総合して、現在のナイロビは比較的安定した状態にあると思われる。

・代表が先にナイロビへ戻ることで、他の日本人の受入準備(ナイロビ戻りのタイミング決定に係る、現場での的確な情報把握を含む)、ムインギ事業の開始準備などを行なう方がよいと思われる。

なお、今後の政治情勢の展開からの治安上の懸念はあることを確認の上、綿密な連絡と安全な移動手段の確保を行なうことを、永岡とは確認しています。また、永岡のナイロビ戻りについては、事前にJICAケニア事務所へ相談・同意のうえ実施しています。

2.ケニアの状況

新聞報道の内容や論調が、だいぶ変化してきました。

当初は暴動が大々的に報じられ、犠牲者の数も増加の一途をたどっていましたが、3日の野党支持者による集会(治安部隊により阻止されました)に関する報道あたりを境に、報道される死者・避難民の数も落ち着き、暴動の報道も影を潜めました。

代わって、各国による選挙プロセスへの疑念表明に加え、各国リーダーたちによる調停介入の動きと、国際NGOや国連機関等による緊急支援の動きが報道されるようになりました。調停介入の動きは、ツツ大司教によるキバキ・オディンガそれぞれとの面会(4日)あたりから、本格化しているようです。ケニアの新聞の論調も、沈静化に向かっているという楽観的な雰囲気が感じられる
ようになりました。

同じく4日には、アメリカが派遣した外交官Frazer氏がナイロビ入りし、現在まで、調停介入を続けています。キバキはFrazer氏との面会後、合同政権樹立へ前向きな姿勢を示しました。対するオディンガは、キバキが辞任すべきとの姿勢は変えていませんが、交渉の座に着くことに対しては「無条件に応ずる」としたという報道をしているメディアもあり(CNN)、かなり柔軟な姿勢を見せ始めているようです。

ナイロビの治安は、日によってだいぶ異なるようで、野党ODMによる集会の動きがいまだ突発的に見られるなど、注意を要する状況であることに変わりはありません。が、報道を見ても、複数のナイロビ在住者からの情報でも、かなり安定してきていることは間違いないようです。

今後、ナイロビ入りした永岡代表からも情報が得られるようになりますので、また何かあれば追って共有いたします。

会員の方から、こんなメッセージをいただきました。本当に、一日も早く、変わらぬ日々に戻ってほしいものです:

ケニアの情勢が一日も早く落ち着き、また「変わらぬ日々」が訪れることを祈っています。日常はともすれば平凡ですが、いつだって特別なのですね。そんなことを感じました。

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2008年1月 5日 (土)

ケニアの最新情報(080105)


藤目です。
現時点で把握できているケニアの最新情報をお伝えします。

1.治安状態

襲撃を恐れて国内外で避難民となっている人の数は相変わらずで、政府発表で75,000人、赤十字は100,000人以上と伝えています。

一方で、ナイロビでは治安部隊の威力もあり、野党支持者による集会が2日連続で阻止されています。集会に参加しようとする人の数も減ってきているようで、少しずつ安定に向かっているようです。ただ、JICAケニア事務所によると、
ナイロビの治安は現在のところ、日によって状況が変わるとのことで、まだまだ予断を許さない状況は続いているようです。

2.調停への動き

問題解決へ向け、調停の動きも続いています。今のところ、キバキとオディンガを同じテーブルにつけることには成功していませんが、その努力が続いています。
・  南アフリカのノーベル平和賞受賞者ツツ大司教は、オディンガ、キバキそれぞれと面会。
・  アメリカは外交官をナイロビへ派遣(4日到着)。キバキと面会予定。キバキとオディンガを同じテーブルにつけることが目的。

BBCの報道によると、キバキもオディンガも柔軟に対応する姿勢を示し始めているようで、どちらもやり直し選挙に肯定的な発言をしています。ただし、裁判所を信じない(裁判官はみなキバキに任命されているとの理由)とするODMと、裁判所の
指示に従う(憲法に従う)とするキバキ側で、攻防は続いているようです。

以上

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2008年1月 4日 (金)

ケニア人スタッフ・専門家の近況


ナイロビ事務所とケニアの状況につき、今朝投稿しました。その後、ケニア人スタッフ・専門家の安否につきタンザニアから連絡が入りました。それによると、全員と電話で連絡が取れ、安全が確認されています。事業地のムインギについては、複数の在住スタッフから、平穏との報告を受けています。

アフリカ連合の議長や、ノーベル賞受賞者の南アフリカツツ大司教など、各地のリーダーたちが、調停へ向けて動き始めています。これが早期の沈静化につながることを祈っています。

藤目(CanDo理事)

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2008年1月 3日 (木)

ナイロビ事務所とケニアの状況

みなさま

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

日本の新聞でも報道されていますので、ご存知の方も多いと思いますが、現在ケニアでは、大統領選挙後の混乱が続いています。ご心配されている会員の方も多いと思いますので、ケニアの状況とナイロビ事務所の状況を、以下に共有させていただきます。

1.CanDoナイロビ事務所の状況
選挙後の万一の場合に備え、CanDoナイロビ事務所の日本人スタッフ・インターンは、年末から隣国タンザニアの、ケニア国境付近の町に滞在しています。現地で新聞やインターネット等を通じて情報収集を行なうとともに、日本でも理事が情報収集を行ない、現地との情報共有を行なっています。日本人スタッフ・インターンは、ケニアの状況が沈静化するまでは、タンザニアで業務を行なうこととしています。

ケニア人スタッフの近況については、通信事情もあり日本側ではまだ把握できていませんが、ナイロビ事務所側では把握できているようです。何かありましたら、また追って共有いたします。

2.ケニアの状況
2007年12月27日、ケニアでは総選挙が実施されました。そこで行なわれた大統領選挙には、現職大統領(当時)のキバキ氏、最大野党のODMを率いるオディンガ氏、ムインギ北部出身のムショカ氏の3者が立候補していました。結果は、当初はオディンガ氏が優勢でしたが、ケニア選挙管理委員会が30日に最終的に公表した結果では、僅差でキバキ氏が当選しました。同日、キバキ氏は大統領就任宣誓を行なっています。

選挙結果の公表が遅れたことから、公表前にも暴動が起きていましたが、結果公表後、選挙結果は操作された不正なものであるとして、ODM支持者による暴動が悪化しています。その正確な被害者数は把握できていませんが、1月2日現在までで、300人以上が死亡したというのが一般的な見方のようです。キバキ氏の属するキクユ民族とオディンガ氏の属するルオ民族との民族紛争の様相を呈してきているようで、隣国ウガンダへ避難する人や、ケニア国内で教会等に避難する人は、かなりの数に上っているようです。

キバキ氏もオディンガ氏も、支持者へは冷静になるよう呼びかけており、また、双方とも話し合いに応じる用意はあるとも言っています。一方でオディンガ氏は現在のところ、キバキ氏が不正を認めるまでは話し合いの座に着かないとも言っているようです。

先進国(イギリス、アメリカ、EU)も不正への懸念を表明しており、EUによる選挙監視団はその中間報告書で、選挙は国際基準を下回っていた(つまり、不正があった)と報告しています。また、混乱への懸念も表明しており、イギリスやAU(アフリカ連合)等が調停役を買って出ようとしていますが、具体的な動きはこれからとなります。

以上

CanDo理事 藤目

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